人工歯根とインプラント

世の中には、出回るべき情報が利権によって遮断される現実もあるということを、痛切に学ぶことのできる本をご紹介します。


その名も、『怖いインプラント』(船瀬俊介著)です。


結論から言えば、インプラント(=金属のボルトを直接歯茎に植生させること)は、本来人体にそぐわない金属に対する自然な拒否反応から、ボルト自体の緩み・脱落が生じ、場合によっては死に至る事故も起きかねない危険な処置であるということです。


それだけでなくこの本は、ただ単にインプラントの危険性を説くだけではなく、きちんと対案も提案しています。


その対案とは、ズバリ「人工歯根」です。


特に西原克成先生の実践されている人工歯根が、画期的ということです。


人工歯根は、まず人体にとって拒否反応が生じるおそれのない素材(これを生体活性素材と言います)である合成ハイドロキシアパタイト等を採用しています。


次に、人間を始めとした哺乳類は、歯と顎の間に、歯根膜と歯槽骨という二つの層があります。


反対に爬虫類は、顎の骨と歯が直接繋がっているため、獲物を捕らえた拍子に抜け落ちてしまうことが多々ありますが、また生え変わるため問題ないそうです。


従来のインプラントは、まるで爬虫類のように、顎の骨と金属のボルトを物理的に直接固定してしまうため、噛めば噛むほど、金属のボルトを残したまま顎の骨が削れていってしまうのです!


天然歯であれば、噛んだ時に沈むようにできていますが、金属製インプラントは沈まないため、過度にインプラントへ負荷がかかり、上述した顎骨の欠損へと至ってしまうわけです。


それに対して人工歯根は、天然歯のように噛んだ時に沈むように設計されているため、人間の生体に合った仕組みになっているのです。


ではなぜ、噛んだ時に歯が沈むという人工歯根の仕組みが、人体に合っているのでしょうか?


それは、血流のあるところでしか骨と膜が出来ないからです。


歯が沈むことにより、その部位に血流が生じて、血流が生じたところに微弱な電気が流れ(流動電位)、この電気をきっかけに骨が出来る遺伝子が発現して、骨を造り出すのです。


歯根膜が出来る過程も、上記の骨が造り出される過程と変わりません。


既得権益からの妨害によって遮断されている「人工歯根」の技術をより解き放ち、悪しき「インプラント」を駆逐する勇気ある歯科医師が、次々に登場してくることを切に願っています。


金属ボルトによるインプラントが、人の命を奪う可能性を多分に秘めている現実を受け入れて、人間として抱くべき当たり前の罪悪感を早急に、いや今からここから抱いてください。